CHARITY FOR

NPO法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン

160125-pic-1

希望ある未来を築く「健全な住宅」を、貧困で苦しむ人達へ提供したい

「人がそこで生きている限り、家が無い人はほとんどいません。一番問題なのは、その住宅が“健全であるかどうか”です」

「生命を守ることはもちろん、健全な住宅に住めれば、生活の最も重要な基盤が整いますから、子どもたちは教育を受けやすくなりますし、両親も尊厳を取り戻して、仕事に就き、収入を得られる可能性が広がります」

今週のチャリティーは、NPO法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン(以下、ハビタット・ジャパン)。

昨年発生した、ネパール地震を通じて、災害と貧困、そして住宅のあり方が再認識されています。世界でも数少ない「住居」に特化したNGOである彼らの活動について、話を伺ってきました。

160125-pic-2

山本 真太郎(やまもと しんたろう) 写真 右
支援事業部 マネージャー(ネパール支援事業担当)。島根県出雲市出身。高校時代に「他人のために生きる」と決心し、国際協力の世界を志す。大学院まで国際政治や公共政策を学んだ後、ハビタット・ジャパンへ。

「住居」を軸とした3つの活動

私たちは、住居に関する支援活動に特化し、世界70カ国以上で活動を行う国際NGOハビタット・フォー・ヒューマニティ(以下、ハビタット)の日本支部です。主に課題の多い開発途上国で支援に取り組んでおり、東日本大震災など災害が発生した際には国内でも活動しています。

私たちが行っている活動は大きく3つあります。1つ目は、アジア各国のハビタット支部と連携し、住宅建築に必要な資金そして建築活動に必要なボランティアを日本国内で募り、各国の活動を支えることです。

160125-pic-3

(支援によって完成した住宅)

2つ目は、次世代リーダー育成。ハビタット・ジャパンでは貧困住居問題解決を担う若者の育成に取り組んでいます。現在は33の大学(キャンパス)にハビタット・ジャパンの学生支部が組織されています。

ハビタット・ジャパンでは、若者の海外建築活動の参加に加え、彼らが日本国内で取り組むチャリティーイベントや啓発活動のサポートを通じて、次世代のリーダーとなり得る人材の育成を目指しています。

160125-pic-4

3つ目は、緊急災害支援。去年4月に発生したネパールの地震では、50万軒を超える住宅が倒壊し、9,000人近くの尊い命が失われました。

ハビタットがネパールで住居支援活動を開始したのは、1997年に遡ります。ネパールはもともと地震リスクが高い地域だったこともあり、災害発生以前からハビタット・ジャパンのスタッフを現地に派遣し、防災に向けた調査活動を行っていました。

その矢先に地震が発生。ハビタット・ジャパンでは発災後、現地ハビタットが取り組む緊急支援活動を資金的にサポートした他、更なる大地震に備え、被災した住宅が安全に使い続けられるかどうか診断活動を行いました。

160125-pic-5

(地震発生後の現地の様子)

活動における課題

途上国の人々が、貧困によって不健全な住環境から抜け出せないこと

人がそこで生きている限り、家が無い人はほとんどいません。一番問題なのは、その住まいが“健全であるかどうか”です。残念ながら、途上国の人の多くは「健全でない住宅」に住んでいます。

例えば、ネパールに限らず、途上国で建築される住宅は「組積造(そせきぞう)」と呼ばれる建築様式です。組積造建築は、建物が石やレンガを積み重ねてできた構造であり、日本でも伝統的な建物に多く用いられています。

160125-pic-9

ネパールを含め多くの貧困国では、住む人が住宅に対して十分な資金が無く、健全で丈夫な住宅を建てるための技術を持たないため、素人的に構造の脆弱な組積造住宅を建てている、という問題があります。

自然災害が起きない限り、リスクが顕在化しないこと

「住宅が健全でないこと」は、自然災害時に顕著に露呈します。逆に言うと、自然災害が起こらない限り、そのリスクが顕在化しないというジレンマがあります。

160125-pic-7

自然災害が起きる前に、健全でない住宅のリスクや、健全な住宅の重要性をどう伝えるのかは、私たちの活動の課題の一つです。

解決策

住宅建設のための資金的支援

私たちは、家を手にする家族が、地域や世界中から集まったボランティアとともに家の建築活動に加わり、そして、建築に掛かる費用の一部を負担する仕組みを導入しています。

この仕組みを通じて、家を手にする家族の自助努力を促し、コミュニティ全体が助けあって健全な住宅を得られるよう配慮しています。

160125-pic-12

正確なデータを取得し、現状を「見える化」する

昨年の10月まで、ネパールでは、地方都市3市における16,244軒、そこに暮らす65,000人以上が暮らす家屋の被害状況を診断していました。

160125-pic-10

活動の中では、今回の地震でも崩れることなく、外見ではまだ使えるように見える住宅であっても、次の地震では崩れてしまいそうな家もありました。

また、まずは診断のみの実施でしたので、その場ですぐに新しい家を用意出来る訳では無いので、心苦しさを感じました。

しかしながら、更なる余震から一人でも多くの命を守るためには、まずは各々の家族に家屋の状況をきちんと把握してもらうことが重要です。この診断結果を通して、被災地の現状が正しく把握され、再建に向けた活動の足がかりになればと願っています。

現地エンジニアの育成活動

先のネパールの診断活動では、地元のNGOとも連携し、現地のエンジニア約70名を診断士として採用しました。

160125-pic-8

現場に派遣する前のトレーニングや実際の診断活動を通じて、彼ら自身、自分たちの国の一般住宅がいかに脆弱で、国全体で改善していくべき問題であるかを再認識しました。今回の活動は、彼ら専門家の意識喚起や育成にもつながっています。

この記事を読んでいるあなたへメッセージ

世界では、人口が多く、地震のリスクが特に高い地域(中国やインドネシア等)がありますが、健全でない住宅がそこに暮らす人の生命を脅かしています。

私たち、日本人にとっての「当たり前」が、世界の人々にとって「当たり前」でないのが現実です。

より効果的に問題を解決していくためには、住宅建築を一つずつ進めるだけではなく、政府や行政と共に都市計画の策定に取り組むなど、より大きなスケールでの関わりが必要と考えることもあって、問題の大きさと自分たちの活動のペースに、葛藤を感じることがあります。

方法論は少しずつ良くしていくことが必要ですが、きちんとした家に住むということが、希望ある未来を築く一歩になるという考え方に変わりはありません。

生命を守ることはもちろん、健全な住宅に住めれば、おとなも子どもも、安心して次にステップのことを考え、歩んでいくことができます。私たちが、数少ない専門組織として、住宅支援の手を止めることは、ありません。

今回、アイテムのデザインでは、「ただいま」「おかえり」がある風景をテーマに、家の玄関をモチーフにデザインして頂きました。

皆さんからお預かりするチャリティーは、健全な住宅に住む大切さを伝えるための活動に大切に使わせて頂きます。チャリティーアイテムを通じて、健全な住宅に住むことの大切さを、少しでも多くの人に知って頂けるよう、チャリティーへの参加をよろしくお願いします。

TEXT BY KEIGO TAKAHASHI

160125-pic-11

NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

【 THANKS MESSAGE 】NPO法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパンから御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)

基本情報

法人名:特定非営利活動法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン
活 動:東京に事務所を構え、住居の建築・修繕支援というアプローチにより、人々が安心して暮らせる住環境を手に入れ、幸福感を持ち、豊かな人生を歩み、自己成長することを可能にする地域社会の発展に貢献する非営利法人。
住 所:東京都新宿区市谷田町2-7-15 近代科学社ビル3階
H P:http://www.habitatjp.org

logo-pckk                

SNSでシェアするだけで、10円が今週のチャリティー先団体へ届けられます!
Let’s 拡散でチャリティーを盛り上げよう!
(広告宣伝費として支援し、予算に達し次第終了となります。)