「Give me money」たどたどしい英語とともに、無表情な9歳くらいの男の子が、窓の鉄格子の間から、私へ手を差し出しきました。
三輪タクシーに乗っていた私は、どう対応してよいかわからず、咄嗟に手にしていた折り紙の”手裏剣”を手渡しました。
すると、無表情だった彼の表情は、満面の笑みになりました。
「Your name?」そう子どもに聞かれ「Mari」と答えると、笑顔で「Thank you Mari」と一言。すぐに彼は去って行きました。
これが、私にとって初めてのストリートチルドレンとの出会い。「お金を欲しいと言う姿は、彼本来の姿ではない」と感じたことが、強く印象に残っています。
ストリートチルドレンは、現在1億人以上いると言われています。そして、私が訪れたバングラデシュの首都ダッカには、約30万人も存在すると言われています。
そもそも、ストリートに住むことは、危険と隣合わせです。子どもたちは、犯罪に巻き込まれたり、薬物に溺れたり、栄養失調や病気で苦しむこともあります。
また、彼らは学校に行くこともできません。字を書くことや読むことができず、大人になっても物乞いや重労働をして暮らすことがほとんどです。
さらに、彼らが路上で赤ちゃんを産み、その子もまたストリートチルドレンになる、という負の連鎖も起きています。
今週のチャリティーは、NPO法人国境なき子どもたち(KnK JAPAN)。
彼らは、世界の恵まれない青少年を支援し、約10の国と地域で、延べ4万人以上の子どもに支援を届けています。
私が訪れたバングラデシュでも活動。「ほほえみドロップインセンター」という施設を運営しています。
この施設では、朝食と昼食などの食事提供の他、基礎教育や衛生教育などを提供しています。
センター開設前、近郊のストリートチルドレン約200名の中で1日3食の食事をとれる子どもは全くいなかったそうです。その後、国境なき子どもたちの活動を通して、2014年にはセンターに通う子どもの4分の3程度にあたる74%が、毎日3食の食事をとれるようになりました。
すごい成果ですよね。でも、まだ完全には問題は解決していません。少しでも早く全ての子どもが、安全に子どもらしく、暮らせるようになって欲しいです。
国境なき子どもたちの活動対象は、途上国の子どもたちだけではありません。日本の子どもたちに対しても啓発活動を行っています。
その1つが「友情のレポーター」です。
「友情のレポーター」とは、途上国に行き、自分たちと年の近い子どもたちを取材し、帰国後そこで学んだことや感じたことを発信。共に学び合っていく、というプロジェクトです。
これまでにカンボジアやフィリピン、ヨルダンなどの国々に60名(2015年4月時点)が派遣されています。
私もこのプロジェクトの存在を、中高生の時に知っていれば、是非参加したかったです!
そして、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんという方がいます。
彼女は16歳の時、「友情のレポーター」としてカンボジアを訪れています。
私自身、母子家庭で育ってきて、自力で海外に行けるような家庭ではなかったのですが、『国境なき子どもたち』にチャンスをもらって、カンボジアと出会いました。カンボジアに行っていなければ、いまの私はなかったと思います。
引用:通い続けることで見えてくるものがある 安田菜津紀|写真で伝えたいこと|オリンパス
彼女は、現在もカンボジアで写真を撮り続け、”発信する”ことの大切さを自ら体現しています。
ストリートチルドレンのために、私たちに何ができるでしょうか?
国境なき子どもたちのスタッフの方は、次のように述べています。
まず、知ってください。知ったらそれを人に伝えてください。伝えることで大きな力が生まれます。
フォトジャーナリストの安田さんのように、自分が知ってそれを人に伝えること。私もこれが大切だと信じています。
今週のアイテムのモチーフは「黒板」。ストリートチルドレンの子どもたちが、1人でも、1日でも早く教育を受けられるようになって欲しい、との願いを込めています。
チャリティーアイテムを通じて、ストリートチルドレンの子どもたちのこと、国境なき子どもたちの活動のことを、周りの人へ伝えてみてくださいね!
そして、今週、国境なき子どもたち写真展 「Four Wishes 4つの願い -世界の子どもたち-」が、東京・天王洲アイルで開催されています。
お近くの方は、写真を通じて、ストリートチルドレンに今起きていることを、もっと知ってみてくださいね。
日時:2015年11月7日(土)~16日(月)9:30~18:00
会場:Terratoria (テラトリア/東京・天王洲アイル)
〒140-8615東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル2F D入口
TEXT BY MARI KOSHIMURA(FROM E-EDUCATION)
法人名:特定非営利活動法人国境なき子どもたち
活 動:東京に本部事務局を構え、日本と世界の子どもたちが「共に成長する」ことを理念に活動する非営利法人。
住 所:東京都新宿区下落合4-3-22
H P:http://knk.or.jp
【 THANKS MESSAGE 】NPO法人国境なき子どもたちから御礼とメッセージ JAMMIN | Social Wear Brand