みなさんは、美味しい食事をする時間を大切にしていますか? 友達や家族、仕事仲間と一緒にテーブルを囲む時間は、素晴らしいですよね。
そんな楽しい時間の中でも、自分が食べたい物が自由に食べられない人たちがいます。その一つが食物アレルギーを持つ人たち。
特に子どもはまだ免疫が弱いため、アレルギーの影響が大きくなりがちです。そして、アレルギーを持っているだけで、いじめや偏見に繋がってしまう可能性すらあります。
そんな問題を解決しようと奮闘するのが、NPO法人アレルギーっこパパの会(以降、アレパパ)です。
(アレルギーの要因となる鶏卵と小麦を使わないアレルギー対応のケーキ)
アレルギーを持つ子ども達は、疎外感を大なり小なり抱えています。
例えば、みんなが美味しくケーキを食べている中、自分一人だけ違うお菓子を食べる時。みんなが給食を食べる中、弁当を持参する時。修学旅行や社会科見学なども食事次第では参加が難しくなってしまいます。
現在、食物アレルギーの子どもたちは急増していると言われています。食物アレルギーは、小中高生では平成25年までの6年間で1.7倍にも増え、3歳までのアレルギー疾患の中では、一番多いものとなってしまいました。
(メニュー開発の様子)
アレパパは、食物アレルギーになったとしても、安全に楽しく暮らせる社会をつくることを目指し活動。旅館・ホテル業界や、飲食業界のシェフ向けの美味しいアレルギー対応料理や対応方法についてアドバイスを実施しています。
その他にも「アレコミュ」というWEBツールを開発。アレルギー対応に必要なお客様の情報を簡単に取得できるツールを提供しています。
(アレコミュの仕組み)
これらの活動のルーツは、代表の今村さんの娘さんが、食物アレルギーを発症したことにあります。
娘さんが不自由なく、そして美味しく食事をして欲しいとの考えから、一念発起し大手不動産会社を退社。その後このNPO法人を2013年に立ち上げました。
そして、団体名をパパの会としているのは、積極的に関わろうとするパパが少なかったことが背景にあります。「パパたち、もっと参加しよう!」そんな今村さんからのメッセージが団体名には込められています。
(アレパパの活動には多くのパパが参加している)
私(著者)がアレパパの活動の中で素晴らしいと思うポイントは、仕組みを作ろうと活動するその姿勢です。
外食をする時に「アレルギー対応なんてできる訳がない」「自分が食べ物を持参すればいい」そんな風に意識が内向きになってしまうかもしれません。
しかし、アレパパでは「シェフと一緒に」そして「美味しい」を届けられるように挑戦していること、さらには、どのシェフもその取り組みが真似できるよう活動していることが大きな特徴です。
この活動がさらに進めば、アレルギー対応の食事が食べられるお店ばかりになる可能性を秘めています。
(アレルギー対応のメニューのひとつ)
さらに、仕組み作りだけではなく当事者同士が集まる場も提供しています。
アレパパで毎年開催するクリスマスイベントがあります。その場には、現在開発中のメニューの試食や、アレパパに参加したばかりの子ども達が集まります。この会のコンセプトは「アレルギーがない子が羨む体験を食物アレルギーの子どもたちに」として、2013年から開催されています。
(2014年のクリスマスイベントでは、プロのシェフがレシピをレクチャー)
14万円のチャリティーで、イベントで使用するお店を丸一日貸し切れ、好きな時に好きなだけ楽しんでもらうことが出来るようになります。
現在も食物アレルギーを持つ子ども達が増えています。その背景には様々な諸説があり、原因はまだはっきりしていません。
究明することも重要ですが、アレパパの活動は今の現状に対して一石を投じています。悲観的になりそうな中、「なぜ」ではなく「どうすればいい?」。そんなポジティブなスタンスで、彼らは活動しています。
今週のデザインのモチーフになっている「何を食べたい?」を、全てのアレルギーを持つ子どものパパやママが言えるよう、チャリティーアイテムを通じて一緒に応援していきましょう!
TEXT BY KEIGO TAKAHSHI
(2014年のクリスマスイベント参加者の皆さん)
法人名:特定非営利法人アレルギーっこパパの会
活 動:東京に事務所を構え、食物アレルギーになったとしても、安全に楽しく暮らせる社会を目指す非営利法人。
住 所:東京都中央区晴海5-1-17-302
H P:http://www.arepapa.jp
GIFTED ¥21,000 CHARITY NPO法人アレルギーっこパパの会(9/21〜9/28) JAMMIN | Social Wear Brand