CHARITY FOR

NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン

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皆さんは動物の“ゾウ”にどんなイメージを持っていますか?

私(著者)はタイへ訪れた際にゾウ乗り体験をしました。その時の彼らの可愛らしい目と穏やかな雰囲気が忘れられません。

皆さんの多くは、動物園の中で見られた方が多いのではないでしょうか。ゾウは大きくて、厳かで、優しい動物です。

でも、その姿はもしかすると、安心して生きられる動物園の中だから見られるイメージなのかもしれません。世界を見渡してみると、ゾウが“生きづらさ”を感じている地域があちこちにあります。

そして悲しいことに、その環境を作り出しているのは私たち人間なのです。

今週のチャリティーはボルネオ保全トラスト・ジャパン(以下BCTJ)。ボルネオの熱帯雨林と野生動物、自然と人間の共生を目指し、現地や日本で行っている活動を紹介していきます。

ボルネオってどんなところ?

面積の大きさ、生物の多様さに特徴

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(地図右側の大きな島がボルネオ島)

ボルネオ島は東南アジアのマレーシアとインドネシアの中間、赤道直下に位置する島です。面積は約74万km²で日本の1.9倍ほどあり、世界で3番目に大きい島です。

この島はマレーシア(サバ州・サラワク州)、ブルネイ(ブルネイダルサラーム王国)、インドネシア(東カリマンタン州・西カリマンタン州・南カリマンタン州・中央カリマンタン州)の3つの国で形成されています。

ボルネオの熱帯雨林はアジア最大。200種類以上の哺乳類、260種類におよぶ両生類や爬虫類、600種類を超える鳥類、調査のたびに新種が見つかるほど種類の多い昆虫が生息し、15,000種類もの植物が確認されています。

この生物多様性は地球上でも圧倒的に高く、たいへん貴重な存在です。

ボルネオと日本人の深い関係

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(原材料の一部にパーム油を使用した商品。日本でもカップ麺やチョコ、ポテトチップスなどたくさんの商品に使用されています)

BCTJは主にボルネオの北東部に位置するマレーシア・サバ州キナバタンガン川流域で活動しています。

このキナバタンガン川沿いの熱帯雨林は多様な動植物が生息する世界でも有数の生物多様性が豊かな地域であり、ボルネオ固有種の動物も多く生息しています。

ところで、皆さんは“パーム油”をご存知ですか? パーム油とはアブラヤシという植物から採れる油で、世界でいちばん生産されいてる植物油です。

パーム油は食用・調理用油、洗剤、塗料、インク、化粧品など身の回りのさまざまな製品に使用されています。日本では主に食用パーム油が輸入されていて、マーガリン、パン、ポテトチップス、ファストフードの揚げ油、チョコレート菓子、スナック菓子などの沢山の食材に使われていてます。

私たち日本人も気づかない間にパーム油にお世話になっていることがわかりますね。

そして、パーム油の2大生産国はボルネオ島のマレーシアとインドネシア。世界の生産量の90%をこの2カ国が占めています。

パーム油産業はこの地域の人たちにとって、生活を支えるための大切な収入源でもあります。

人間と野生動物“つかず離れずの関係”が大切!

徐々に変わるボルネオの環境

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(キナバタンガン川を侵食するプランテーション)

このように沢山の動植物が生息している、貴重で美しいボルネオの熱帯雨林。

しかし1980年代前半以降、アブラヤシの栽培のためにプランテーションの開発が急速に進んでいます。これが原因となり、ボルネオ島では膨大な面積の熱帯雨林が皆伐されているのです。

プランテーションの開発によって熱帯雨林は小さく分断されてしまい、野生動物の生活に大きな影響を与えています。

例えば、ボルネオゾウは一定のルートを定期的に移動しています。プランテーションができると、その中も群れで通ってしまいます。時にはアブラヤシの若い木を倒して食べてしまうので、農民からは農作物を荒らす害獣呼ばわりされるようになってしまいました。

また、人間の生活域が広がったために村のすぐそばをゾウが通るようになり、子ゾウが村人の仕掛けた小動物用の罠にかかって、ケガをしてしまう事件も多く起きています。

BCTJの活動内容

BCTJはこのような野生動物と人間の“近くなりすぎてしまった関係”を改善するために次のような取り組みを行っています。

1つ目は「緑の回廊プロジェクト」です。これは、プランテーションによって分断されてしまった熱帯雨林をつないで大きな森にすることで動物たちの移動経路を確保し、動植物の生物多様性・遺伝子多様性を保護するための取り組みです。

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(オランウータンが川を渡れるように架けた吊り橋。これもBCTJの活動のひとつ)

2つ目は、「野生生物レスキューセンター設立プロジェクト」です。このプロジェクトはBCTJと現地の組織が協力して、野生動物の安全に救出するためのものです。

周辺に野生のゾウが通らないことを確認した場所にレスキューセンターを建設し、一時的な保護や怪我の治療などを行っています。

人間と野生動物の「つかず離れずのちょうど良い関係」を再構築するため、長期飼育はしないことを前提としています。

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(レスキューセンターに入ったボルネオゾウ)

BCTJ活動の実績

BCTJは2015年5月末現在で6,400万円以上の寄付金を集め、過去5年間で約53ha(ヘクタール)の熱帯雨林を自然保護のために購入しています。

十分に多くの場所に緑の回廊が出来ているとも言えますが、購入対象としている土地は2万ha(東京ドーム約4,255個分!)にも及びます。活動はまだまだ続けていかなければいけないのが現状です。

チャリティーの使途

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(植林活動で植えた苗木。数十年後には森ができるはずです)

今回のチャリティーはこの「緑の回廊」をつなげるための植林活動資金に使われます。

緑の回廊の対象地には木がなく、森として機能していない土地も多く見受けられます。ここに植林をすることで、数十年後に大きな森を復活させよう、という試みが植林による緑の回廊づくりです。

6万円のチャリティーで、苗木約2,000本が購入できます。苗木はボルネオ島の熱帯雨林から直接タネを拾い地元のコミュニティによって育てられます。

まとめ:日々の生活を支えるボルネオに、ほんの少しの恩返しを

前述したように、ボルネオの熱帯雨林は、遠く離れた私たちの暮らしを影から支えてくれています。

当然対価として金銭を支払っていますが、私たちはある意味、ボルネオからの恩恵を受け取っているだけ、とも言えます。今週のチャリティーをきっかけに、ボルネオの熱帯雨林に恩返しをしてみませんか?

BCTJの活動を応援することが、そこに住まいを構える動物たちに恩返しをするチャンスであると私は考えています。

ボルネオの現地に行くことが難しい方は、BCTJの素晴らしい活動をチャリティーアイテムで応援したり、SNSでシェアすることが1つの恩返しにつながります。

そして、現地に行ってみたい方は、スタディツアーや国内で開催されるイベントに参加してボルネオの熱帯雨林について学ぶのも素敵な恩返しです。皆さんでBCTJの活動を応援していきましょう!

TEXT BY FUYUMI KUBO

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基本情報

法人名:特定非営利法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン
活 動:東京に事務所を構え、ボルネオ島での生物多様性保全、野生動物保護を通じて、人と自然が共に生きることのできる持続可能な地球環境を次の世代に引き継ぐことを目的として活動する非営利法人。
住 所:東京都品川区東品川1-25-8
H P:http://www.bctj.jp

NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

GIFTED ¥26,000 CHARITY NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(8/24〜8/30)

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