54,000人。この数字が何の数字を表しているかご存じでしょうか?この数字は、NPO法人ライトハウスによる推計ですが、今この瞬間に日本で人身取引(human trafficking)の被害に遭っている人の数(性的搾取のみ)です。今週のチャリティーは、日本で唯一、人身取引被害者の救済活動を専門に行っているNPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウスです。
この数字をみてどんな印象を持ったでしょうか?「日本にそんなに人身取引の被害者がいるはずないじゃん、人身取引なんて途上国だけの話じゃないの?」と多くの人が感じていると思います。
そもそも人身取引とは、過去の奴隷制だったり、臓器売買などだけを指すものではありません。強制的な労働・性的搾取、知識や社会経験が少ない子どもに援助交際=売春をさせるJKビジネスや児童ポルノなど、日本にも深刻な人身取引問題が存在しています。
無関係に思えるこの問題も意外と身近なところにも存在しており、人身取引問題の入り口は様々なところにあります。例えば、女子高生を狙ったJKビジネスなど、未成年が性産業に取り込まれやすくなっています。
(出典:「BLUE HEART〜ブルー・ハート〜」作画Coo 原作ライトハウス)
こちらのマンガのように、簡単・短時間・高収入を謳ったアルバイトの勧誘から始まり、どんどん過激な仕事をさせられ、やめようとすると親や学校にばらすなどと脅され、強制的に性産業に取り込まれる事件が日本でもたくさん起きています。
また、様々な理由から自ら止むを得ず性産業に従事するようになった人も、やめたいと思っても脅されてやめることができなかったり、自分のとてもプライベートな画像などが流出してしまうことで安心してもとの生活に戻ることができなくなってしまうことが多くあります。
そして、多くの被害者は誰にも悩みを打ち明けることができず、たった一人で悩みを抱えています。家族や友人、学校に知られてしまうことが怖い、軽はずみな行為をしてしまった自分が悪いと自分のことを責めてしまい、誰にも話すことができないのです。
そんな誰にも打ち明けることができない悩みをNPO法人ライトハウスでは、全国から無料で電話やメール、LINEで相談を受けています。そして、被害者の状況に合わせて適切な支援を届けるために弁護士や医療機関などの専門家と連携して問題の解決に取り組んでいます。
チャリティーの使途についてお聞きしたところ、ライトハウスの担当者から皆様へ向けてメッセージを頂きましたのでご紹介します。
私たちの活動は、啓発や提言だけではなく、被害者に直接寄り添う支援です。SOSが入ったとき、私たちはすぐに行動します。必要があれば、被害者に会うために日本全国どこにでも飛びます。
Tシャツ1着のチャリティー700円で、被害者との安全な面談場所を2時間分確保し、7着分の約5,000円で、逼迫した状況にある被害者に一泊の安全な宿泊施設を用意し、15着分の約10,000円で法的支援が必要な被害者に、弁護士との相談の場を提供できます。ライトハウスの被害者に対する支援活動資金は、すべて、皆さまからの寄付によってまかなわれています。
ライトハウス(Lighthouse=灯台)という団体名は、“人身取引と、その被害者に気付くことのできる社会へ”という想いが込められています。声を上げることができない被害者に気づき、被害者の心に寄り添い支えることができるように、“人身取引なんて日本に存在するはずないじゃん、あっても他人ごとじゃん”と考えるのではなく、社会全体がこの問題を直視し、問題解決に取り組んでいきましょう。
そのために、この人身取引問題が、日本にも存在するということをより多くの人に知ってもらうためにこの記事をシェアして欲しいです。そして、多くの暗闇で一人苦しむ人身取引被害者が希望を取り戻せることができるよう、活動の支援をしてみませんか?
TEXT BY YASUSHI KOBAYASHI
法人名:特定非営利活動法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス
活 動:東京に事務所を構え、“人身取引のない社会へ”を目指し、人身取引被害者を支援する活動や人身取引撲滅のためアドボカシーや啓発を行う非営利法人。
住 所:東京都渋谷区
H P:http://lhj.jp
GIFTED ¥54,400 CHARITY NPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス(7/27〜8/2)