CHARITY FOR

NPO法人ICAN(アイキャン)

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(TEXT BY MARI KOSHIMURA FROM E-EDUCATION)

今週のチャリティーは、危機的状況にある子どもたちの生活改善に取り組む、NPO法人ICAN(アイキャン)。

紛争地の子ども達や、ストリートチルドレン、災害地など、特に厳しい環境にある子ども達の支援を行っています。

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(フィリピン路上の子どもたちに対する栄養改善の食事提供をする様子)

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(台風被災地レイテ島における緊急救援物資の提供の様子)

ICANは今年2016年から、イエメンで食糧提供活動をスタートしています。

イエメンはもともと経済的困窮、脆弱な統治、政情不安といった様々な問題を抱えていて「中東の最貧国」と呼ばれていました。

そして現在、激化したイエメン紛争により、さらに問題が悪化し深刻な人道危機が発生。2015年7月に国連がイエメンは「最悪レベルの人道危機」に直面していると宣言したほどです(シリアやイラク、南スーダンと同レベル)。

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(戦争被害が最も激しい州の1つタイズ州での生活必需品配布の様子)

イエメンが抱える大きな課題の1つは、食糧及び衛生に関わる基本的な物資が供給できていないこと。これまでイエメンは食糧の90%と燃料の100%を輸入に頼っていたため、危機発生後は輸入が激減。

そのため、推定人口2,600万人のうち半数を超える1,440万人が食糧不足、そして栄養失調のリスクにある子どもは180万人を超えていると言われています(国連人道問題調整事務所調べ)。

この状況を受けてICANでは危機的状況にある人々の命をつなぐために、小麦粉、米、砂糖、油、ミルクといった、生存に最低限必要な食糧を提供しています。

現場からの報告〜今、イエメンで何が起きているか〜

今回は、イエメンの難民が数多く暮らすアフリカ・ジブチにて活動をされているICANのスタッフ 野中亜紀子(のなか あきこ)さんに、現在の状況について話を伺うことが出来ました。

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野中さんは、大使館関係の仕事で2007年からイエメンに滞在、同時期に料理人としてイエメンに来ていた旦那様と知り合い、後に結婚。2015年まで夫婦一緒に日本料理レストランを経営されていました。

イエメンは中東の国の中でも緑が多く、日本の原風景に近いものがあります。知名度は低いんですが、海ではマグロがとれるなど食材も豊富で、日本人の旅行者にも評判が良い国なんですよ

そして、イエメンの人にとっての日本のイメージというと車と家電製品。トヨタやソニーなど、品質が良いいものを作る国、として認識されているとも教えてくれました。

イエメン人の中には親日家も多いです。(日本人にも似て)温和で素朴な人柄の方が多いです。車がスタックしたら、押しがけに人が集まり、何も言わずに去って行ってしまうような、そんな人達なんです

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(旧市街のパン屋。焼いているのは「クダム」という常食のパン)

そんな状況が一変したのが2015年3月。サウジアラビアによる空爆が始まります。実は、野中さんの自宅も今回の空爆で壊れ、当事者としてこの紛争という渦に巻き込まれていきます。

今、私はイエメンの対岸アフリカのジブチにいて、避難してきたイエメン難民の支援をしています。私自身も被害を受けたのですが、一緒に活動する現地スタッフに聞くと、必ず身内や大切な人が1〜2人は亡くなっているような状況です

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(空爆の爆風で窓ガラスが割れ散った野中さんの友人の家。子どもたちは怖がって家に居たがらなくなったそう)

今、イエメンでは国内避難民が6月末時点でも280万人(国民の10%)近くいること。民間人が集まった難民キャンプを標的にした空爆があり、キャンプを安定的に運営することが難しいこと。そして、和平交渉が継続的に行なわれているものの、まだその先の見通しが立っていないことも、教えて頂きました。

イエメンはシリアやイラクに比べて報道されることが少なく、現場で活動している者としては“世界に無視されている場所”のような気がしています。今回のように、話を聞いてくれてもらっていることだけで嬉しいんです

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(空爆と戦闘で廃墟と化したタイズ市に立つ少年2人)

イエメンは、最初に紹介したように中東で最も貧しい国の一つ。食料を得るために過激組織へ参加することも少なくない、という現地ならではの事情も教えて頂きました。

来週、あのA(過激派グループ)で食べ物が配られるらしいし、参加しよう、というノリで参加する若者がいます。そして、来週は違うB(過激派グループ)に食べ物があるから参加する、という感じ。過激派グループへ共感した訳ではなく、“食べるものを探しに参加する”若者が相当数います

だからこそ、私たちの活動を通じて、生活基盤を取り戻して、のんびりと暮らしていた頃のイエメンを取り戻していきたい─、そんな想いで活動をしています

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最後に

正直、今回の取材まで、私はイエメンがどこにあるかも知りませんでした。Gooleマップでまず場所を調べたほどです。

野中さんの言葉を借りれば、イエメンは「世界に無視されている」ような状態。確かに、シリアやイラクなどに比べ、あまり報道されていません。まさかこんなことが起きているなんて、信じられませんでした。

そして私自身、一番の収穫は野中さんのお話にあったように、現在の大変な状況だけでなく、イエメンの自然の美しさや、豊かな食文化、温厚な人々など、イエメンの「素晴らしい面」を知れたこと。行ってみたい国の一つになりました。

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(イエメンの天空の城とも言われるハジャラ。眼下には段々畑が広がり日本の風景と似ている)

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(イエメンの新鮮なマグロ、鯛などで寿司が味わえるとのこと!)

だからこそ、一刻も早く紛争が終結し、イエメンにかつての平和がもたらされることを祈っています。そしてICANの活動をより一層応援したい─、そんな気持ちになりました。

最後に、ICANの野中さんからのメッセージをご紹介します。

今、イエメンでは日々情勢が変化しています。例えて言うと昨日行けた場所へ今日は行けない、というような状況です。

ただ、イエメンで暮らす人々は後ろを振り返ることなく、強い気持ちを持っています。現状に嘆いている訳ではなく、今出来ることをしようという、ポジティブで強い人たちです。

先ほどもお話したように、イエメンは歴史と文化が豊かで、貧しいながらも助け合いながら暮らしていた場所です。いい意味で「のんびり」していたあの頃のイエメンを、もう一度取り戻せるよう、これからも活動を続けていきます。

今週、皆様からお預かりするチャリティーは、例えば、約6,000円で1家族が1ヶ月間生活できる小麦、米、砂糖、油、ミルク等の食料物資を提供することができます。

是非、チャリティー・アイテムを通じての応援よろしくお願いします

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NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

【 THANKS MESSAGE 】NPO法人 ICAN(アイキャン)から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)

基本情報

法人名:特定非営利法人 ICAN(アイキャン)
活 動:愛知に事務所を構え、紛争地の子ども達や、ストリートチルドレン、災害地など、特に厳しい環境にある子ども達の支援する非営利法人。
住 所:愛知県名古屋市中区大須3丁目5-4矢場町パークビル9階
H P:http://www.ican.or.jp

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